アイ アム サム(原題:I Am Sam)
『シン・レッド・ライン』以来御無沙汰だったショーン・ペン主演の作品です。
『シン・レッド・ライン』では特に何とも思わなかったですけど、今回は思いました。彼の演技って凄いですね。
先日見た『ビューティフル・マインド』も障害者モノでしたが、障害者の役としてはショーン・ペンに軍配が上がるでしょう。って、そんな事を比べても仕方ないですね。障害の質が違うんですし。
さて、この映画、知的障害の有る父親が子育てに奮闘する物語ですが、泣くつもり満々で観ると泣けないかも知れません。いや、よく「最初から最後まで涙が止まりませんでした」って感想を聞いたので、実は泣けるのかも知れません。ただ、少なくとも僕は泣けませんでした。僕はこの映画を泣かせる作品ではないんじゃないかと思うのです。観客の涙を誘うだけ誘い、肝心な涙を搾り取るシーンは上手い具合にカットされている気がするんですね。そしてこれは多分演出じゃないかと。泣かせて「良い映画だった」という評価を得るのをあえて避けて、真に内容で勝負した作品なんだと思います。
これ、全米では公開4週目で48位だったのが5週目で7位にランクインしているんです。『マイドッグ・スキップ』しかり、作品の質の高さが故の結果ですよね。
2002年6月15日鑑賞